リピートって?柄物クロスを選ぶときの注意点

せっかくリフォームするならお洒落なクロスを選びたいと思っている方は多いと思います。
ここ近年では賃貸物件でも、全面白いスタンダードなクロスにするのではなく、例えば4面のうち1面を柄物や色のついたクロスにするというアクセントクロスを取り入れているものが多くなってきました。
1面だけアクセントクロスにするというのは、他の物件との差別化になることはもちろんですが、費用面でも、デザインの選びやすさを考えても簡単で、手の出しやすい手法です。

よし、じゃあ早速クロスを選ぶぞ!と思ったそこのあなたに、一つだけ注意して欲しいことがあります。
それは選ぶクロスによっては金額が大きく変わることがある、ということです。

スタンダードクロスからハイグレードクロスに変更したら金額アップは当たり前では?

それも正しいのですが、柄合わせをしないといけないクロスを選んだ場合、無地のクロスと比べて金額が少しアップしてしまうのです。

今回はそんな「柄合わせ」が必要な場合について解説したいと思います!

基本のクロスの計り方

そもそもクロスとは、横幅約9cmのロール状になっているため、壁に対してこの90cm幅のクロスが高さ何メートル必要で、さらにそれが何枚必要なのかという計算をしなければなりません。

こちらの図のような場合(横幅380cm×高さ240cmの壁)だと、横幅90cm×240cmの壁紙が5枚必要ということが分かりますよね。

さらに実際に施工する際には、高さが240cmであれば240cm分のクロスを用意すればいいということではなく、切りしろを足す必要がありますので上下で約10cmほどプラスになります。では、実際にクロスが何メートル必要か計算してみましょう。

壁の高さ【240 cm】+ 切りしろ【10 cm】= 250 cm
250 cm × 5 枚 = 1250 cm =12.5 m

必要なクロスは 12.5 m

これが基本的なクロス必要数の計り方です。
しかし、これはあくまでも柄合わせのない無地のクロスの場合です。

柄合わせとは

スタンダードクロスでも、ハイグレードクロスでも無地の場合は必要がないのですが、模様が入っているものは柄合わせを行わなければなりません。
柄合わせとは、その名前の通り貼るクロスの柄を合わせることです。

例えばこのクロスを貼る場合ですが、1枚目に貼ったクロスと2枚目に貼るクロス(1枚目と並べて貼る壁紙)の柄を揃えて貼る必要があります。そうしないと、1枚目と2枚目のつなぎ目がズレて、全体の見栄えが悪くなってしまいます。その為に行うのが柄合わせです。

実際に壁に貼るクロスはオレンジの点線部分なのですが、柄を合わせる為にクロスを多く使わなければいけないことが分かるかと思います。

リピートとは

クロスのカタログなどを見ていると「リピート」という表記を見かけることがあります。
リピートは柄物クロスにある特徴で、「同じ柄が繰り返される一定の間隔」のことです。柄の方向によってタテとヨコがあり、柄が繰り返される間隔を数字(cm)で表しています。

例えば「リピート:タテ92cm」という表記は、タテ(上から下)方向に92cm間隔で同じ柄が繰り返されているという意味で、ヨコの場合も同様の表記をします。無地の壁紙には基本的にリピートはありません。
このリピートを考慮しつつ、実際に必要なクロスの量を図らなければいけません。

それでは、実際にリピートがあるクロスで先ほど無地のクロスを貼った場合と比較してみましょう。

リピート120cmの場合

  1. 壁の高さ【240 cm】 + 切りしろ【10 cm】= 250cm
  2. 250cm ÷ リピート【120cm】= 2.08
    小数点以下は切り上げで、3リピート分の壁紙が必要となります。
  3. リピート【120cm】× 3リピート分 = 360 cm
    360cm × 5 枚 = 1800cm = 18 m

必要なクロスは 18 m

【無地のクロスの場合】

  1. 壁の高さ【240 cm】+ 切りしろ【10 cm】= 250 cm
  2. 250 cm × 5 枚 = 1250 cm =12.5 m

必要なクロスは 12.5 m

なんと5m以上も増えてしまいましたね!
これが柄物クロスを選んだ際に注意してもらいたい理由です。

もちろんこれはどんな柄を選ぶかによって数字は変わりますので、使用したいクロスが決まったら上記の計算式を参考に計算してみてくださいね。

ちなみにリピートの幅に関しては、カタログの品番詳細のところに書いてあります。
この画像だとオレンジの枠線のところです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

実は「見積りをもらった後にクロスを指定したら数字が大きく変わったけど何で?」という質問をいただくことがあります。
それは、通常の見積もりは無地のクロスを想定して計算をしているからなのです。
もし事前にどんなクロスを使いたいか決まっているなら、事前に品番を伝えておくことで後から金額が加算されるというようなこともなくなるかと思います。

今回の記事を書いていて、柄物クロスの悪い点を紹介してしまったのですが、皆さんには柄物を嫌いにならないでいて欲しいです。
柄があるからこその雰囲気や風合い、デザイン性など素敵なメリットがたくさんあるからです。

あくまでも今回は「なんで料金が高くなるの?」というような不信感に繋がってしまわないよう、注意点として紹介させていただきました!
素敵なデザインのクロスはたくさんありますので、ぜひトライしてみてください(^^)


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