フローリングとクロスを同時に張り替えると何が変わる?日程・費用・床材の選び方

退去後の部屋を見て、「クロスも床も傷んでいるから、どうせなら一緒にやってしまいたい」と考える大家さんは多いと思います。一方で、「一緒に頼むと何が楽になるのか」「床は何を選べばいいのか」「結局いくらになるのか」が分からないと、業者に声をかける踏ん切りがつきにくいものです。

この記事では、床とクロスの張替えを同じ現場でまとめて頼んだときに、日程・費用・仕上がりの3つがどう変わるかを、当社の料金表と施工事例の数字でお伝えします。先に、検索でよく使われる「フローリング」という言葉と、賃貸の床工事の実際が少し違うところからお話しします。

賃貸の床工事は、多くが「フローリングの上に貼る」工事

「フローリングの張替え」と聞くと、木の床板をはがして新しい床板を張る工事を思い浮かべる方が多いと思います。ただ、当社の料金表で床工事として載せているのは、既存の床の上に新しい床材を貼る「上貼り」の料金です。床材は次の3つで、単価は面積(㎡)で決まります(料金表・税抜)。

床材単価(税抜)向いている場所
クッションフロア(CF)3,980円/㎡洗面所・トイレ・キッチンなどの水まわり
フロアタイル6,999円/㎡洋室・リビングなどの居室
カーペット6,190円/㎡カーペット敷きの部屋

この単価は、いまの床材の上にそのまま貼れる場合の料金です。既存の床材をはがして張り替える場合は、処分代や下地処理代が別にかかることがあります。

木の床板そのものを張り替える工事は、当社では「リフォーム工事全般」の扱いで、和室6帖をフローリングにする工事が198,000円(税抜)からです。こちらは現在、東京・埼玉の一部と当社の管理物件にしか対応できていません。木の床板にこだわりがなければ、傷んだフローリングの上に木目のフロアタイルを貼る方法で、見た目を新しくするのが一般的です。当社の鴻巣市の戸建ての施工事例も、傷が目立ち、板の幅も古く見えるフローリングの居室を、フロアタイルで仕上げたものです。

同時に頼むと変わること① 見積りと日程の手間が1回で済む

まとめて頼んだときにいちばん差が出るのは、大家さんの手間です。当社のお申込みから工事までの流れでは、職人が現地で採寸し、その寸法をもとに見積書をメールでお送りします。クロスと床を一緒にお申込みいただければ、採寸も見積書も1回で済み、鍵の手配も1回で足ります。

別々に頼むと、この流れが2回になります。見積りのお伺いは原則として朝か、夕方から夜にかけてで、鍵の置き場所に行き違いがあるとその日は採寸できません。見積書の有効期限は30日、工事代金のお支払いは工事日の2日前までです。手続きのひとつひとつは小さくても、2回分を退去から次の募集までの間に収めるのは、思った以上に気を使います。

日程の変更にも気をつけたいところです。職人は工事の前日までに材料をそろえ、クロスの糊付けなどの準備を済ませています。そのため、キャンセルの規定では、工事の2営業日前からキャンセル料がかかります。「クロスを先にやって、床はあとで考える」と工事を2回に分けると、日程を組み直す場面も2回になります。

別々に頼む場合と同時に頼む場合の比較。別々なら採寸と見積書・鍵の手配・工事日の調整がそれぞれ2回、同時なら1回で済み、単価は別々に頼んでも同じ

同時に頼むと変わること② 費用は「部屋ごとの合計」で見える

クロスはメートル(m)、床は平米(㎡)と、単位が違う点に注意してください。クロスは幅90cmの巻物なので、壁と天井の面積(㎡)を0.9で割ったメートル数に、1,088円(スタンダードクロス・WEBのお申込み・税抜)を掛けます。床は床面積の㎡数に、そのまま床材の単価を掛けます。

6帖の洋室を例に計算してみます。当社の単位の換算表では、6帖の床面積は6×1.65で約9.9㎡、天井と壁を全面張り替えるとクロスの面積はおおよそ30〜40㎡です。ここでは35㎡として計算します。

工事計算金額(税抜)
クロス(天井と壁の全面)35㎡÷0.9=約39m、39m×1,088円42,432円
床をクッションフロアにする場合9.9㎡×3,980円39,402円
床をフロアタイルにする場合9.9㎡×6,999円69,290円

クロスとクッションフロアなら合計で約8万2,000円、クロスとフロアタイルなら約11万2,000円が目安です。いずれも床を上貼りできる前提で、駐車スペースがない現場では駐車場代が別にかかります。

先にお伝えしておくと、料金表の単価は、クロスだけのご依頼でも床と一緒のご依頼でも同じです。まとめて頼んだから単価が下がる、という仕組みはとっていません。そのかわり、クロスの最低料金(スタンダードクロスで40,888円・税抜)と、最低でも居室1部屋の天井と壁の全面からというお申込みの条件は、どちらの頼み方でも変わりません。

同時に頼むと変わること③ 床材は部屋ごとに使い分けられる

クロスと床を同時に考えると、部屋ごとに床材を選び分けやすくなります。当社の現場の判断は、「水まわりはクッションフロア、居室はフロアタイル」です。理由はそれぞれの弱点にあります。

  • フロアタイルは、1枚ずつ貼る床材です。傷に強く、家具の跡もつきにくい一方で、継ぎ目から水が入ると剥がれの原因になります。そのため水まわりには向きません
  • クッションフロアは、1枚のシートで貼ります。継ぎ目が少ないぶん水まわりに向いている反面、家具の跡がつきやすく、居室では見た目と持ちでフロアタイルに劣ります

柄の選び方にも、現場で分かったことがあります。上尾市の戸建ての施工事例で担当者が書いているとおり、6帖ほどの洋室に幅18cmほどの広い板柄を貼ると、板の枚数が少ないぶん、かえって部屋が狭く見えます。逆に細すぎると昔のフローリングのように見えるため、板柄の幅は15cm前後がおすすめです。また、この事例でも鴻巣市の事例でも、カタログで見た色と貼り上がった床の色は少し違って見えました。柄を選ぶときは、実際に施工した写真を探して見比べるのが確実です。

なお、当社のスタンダードクロスは、一般的な建売戸建やマンションに使われている量産品です。種類を3つ以上選ぶ場合は単価が変わります(WEBのお申込みで1,248円/m・税抜)。壁は量産品でそろえ、部屋の印象は床の色で決める、という考え方もできます。ハウスクリーニングも一緒に頼む場合は、作業内容に床のワックス仕上げが入っているので、床の工事とどちらを先にするかを、お見積りのときに確かめておくと二度手間になりません。

同時に頼むときに、先に知っておいてほしいこと

まとめて頼むと楽になる一方で、お受けできないことや、現地を見ないと決まらないこともあります。

  • 床の金額は、写真だけでは確定しないことがあります。浮きや沈み、めくれがあると上貼りができず、はがしや下地の補修が加わります。現地での採寸のときに確かめます
  • 木の床板を張り替える工事は、対応できる地域が限られます。東京・埼玉の一部と当社の管理物件だけです
  • 人が住んでいるお部屋の工事はお受けしていません。当社は空室専門で、工事の日は室内に荷物がない状態が条件です
  • 時期によっては、お急ぎのご依頼にお応えできないことがあります。工事が2種類になるぶん、退去日が分かった時点で早めにお申込みいただくのが確実です
床とクロスを同時に頼む前に確かめる4つ。床が上貼りできる状態か、クロスはmで床は㎡で計算すること、部屋ごとの床材の選び分け、空室で鍵の手配ができるか

クロスと床のどちらを優先するか、予算の中で迷っている場合は、退去後のクロスと床はどちらを優先するかの記事に判断のポイントをまとめています。

まとめ:床とクロスは、採寸の前に「一緒に見てほしい」と伝える

床とクロスを同時に頼むと、採寸・見積書・鍵の手配・工事の日程がそれぞれ1回で済みます。単価は別々に頼んでも同じなので、変わるのは金額よりも手間と、部屋ごとに床材を選び分けられることです。床は上貼りできるかどうかで金額が変わるため、採寸の前に「床も一緒に見てほしい」と伝えておくのがいちばん確実です。

クロスと床の単価は料金表ですべて公開しています。条件が合いそうでしたら、お見積りのお申込みの工事内容の欄に「クロスと床(クッションフロアまたはフロアタイル)」と書いて、物件の住所と間取りをお知らせください。面積が分からなくても、間取り図やお写真から概算をお出しします。そのほかの工事や対応エリアは、トップページに載せています。