クロス張替えを激安・格安で頼む前に|安さの理由と、代わりに引き受ける条件
退去が出るたびにクロスを張り替える大家さんにとって、工事費はできるだけ抑えたいものです。「激安」「格安」とうたう業者を探すのは、ごく自然な判断だと思います。
ただ、安さには必ず理由があります。理由が分かっていれば、安く頼んでも困ることはありません。分からないまま頼むと、見積りの段階や工事の前後で「聞いていなかった」が起きます。この記事では、当社がなぜこの値段でやれているのかと、その代わりに大家さんにお願いしている条件を、都合の悪いことも含めて書きます。あわせて、どの業者に頼む場合でも確かめておきたい点を整理します。
安い表示を見たら、まず単位と「込みのもの」を見る
クロスの単価は、会社によって「1メートルあたり」で書く場合と、「1平方メートルあたり」で書く場合があります。クロスは幅90cmの巻物なので、1メートルは0.9平方メートルです。同じ数字が並んでいても、単位が違えば金額は同じになりません。
当社のスタンダードクロスは、WEBからのお申込みで1メートルあたり1,088円(税抜)です。平方メートルに直すと、1,088÷0.9で約1,209円になります。逆に言えば、1平方メートルあたりの単価と1メートルあたりの単価が同じ数字なら、メートルで書かれているほうが約1割高い、ということです。安く見える表示を比べるときは、単位を揃えてから比べてください。施工面積の出し方とメートルへの換算は、クロスの平米計算の方法で図入りで説明しています。
もう1つは、単価に何が入っているかです。当社の単価には、古いクロスのめくり代、残材の処分代、下地処理代が含まれています。単価が安くても、こうした作業が別の行で加わる見積りなら、合計では差が縮まります。単価の数字だけで判断しないことが、安く頼むときのいちばんの基本です。
当社がこの値段でやれている2つの理由
1つ目は、人件費の持ち方です。当社は施工の社員を雇わず、クロスの職人と直接、業務提携しています。固定給がかからない分を、価格に回しています。提携している職人は、クロスとクッションフロアを専門にしている独立した親方職人で、見習いの職人はいません。仕上げに不備があれば、直しに伺います。
2つ目は、材料です。使うクロスは、建売の戸建てや分譲マンションで広く使われている量産品のスタンダードクロスで、サンゲツの「SP」やリリカラの「ベース」といったメーカー品です。どちらもホルムアルデヒドの放散が最も少ない区分(F☆☆☆☆)で、準不燃などの防火性能を備えています。すぐに剥がれたり変色したりする品ではありません。詳しくはなぜそんなに安いのかのページにまとめています。

安さと引き換えに、大家さんにお願いしていること
ここからが、都合のよくない話です。安くできる仕組みは、大家さんにもいくつかの不便を引き受けていただくことで成り立っています。申込みの前に知っておいていただきたい条件を、並べておきます。
- 柄は基本的に選べません。白を基調にした量産品を使うためです。品番や職人をご自分で選びたい方へのご案内は、なぜそんなに安いのかのページに載せています
- 空室専門です。工事の日は、人が住んでいない状態で、室内に荷物がないことが条件です。お見積りのときは、荷物があっても構いません
- 最低でも居室1部屋の「天井と壁の全面」からです。壁の1面だけ、汚れた1か所だけ、という頼み方はお受けしていません。最低料金はスタンダードクロスで40,888円(税抜)です
- お見積りは、朝か、夕方から夜にかけて伺います。日中は職人が各現場で工事をしているためです。鍵やキーボックスの番号に不備があると、その日はお見積りができず、次の日程がすぐに取れないことがあります
- 無料のお見積りは、1つの現場につき1回までです。同じ現場で2回目以降をご希望の場合は、費用がかかります
- 駐車スペースがない現場は、駐車場代が別にかかります
- 事故物件の工事はお受けしていません
お支払いは、原則として前払いです(当社と管理契約を結んでいるオーナー様は、家賃からの相殺か後払いになります)。職人は工事の前日までに材料を用意し、糊付けなどの準備を済ませています。そのため、キャンセルの時期によっては、お支払いいただいた料金をお返しできません。
| キャンセルした日 | 返金される額 |
|---|---|
| 工事日の当日・前日 | 0% |
| 当社営業日の2日前まで(水・日・祝日を除く) | 50% |
| 当社営業日の3日以上前(水・日・祝日を除く) | 100% |
入居が急に決まった、売却の話が出た、という事情で工事を取りやめることもあると思います。工事日が近づいてからの変更は負担が大きくなるので、迷っているうちは工事日を確定させないほうが安全です。お支払いの詳細はお支払い方法に載せています。
どの業者に頼むときも、確かめておきたい5つのこと
安い業者が悪いわけではありません。安さの仕組みと条件が、ご自分の物件の使い方に合っているかどうかです。当社以外に頼む場合も含めて、見積りの段階で次の5つを聞いておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
- 単価の単位は、メートルか平方メートルか。単位を揃えないと、安い・高いが逆に見えることがあります
- めくり・処分・下地処理は単価に込みか。別の行になっていれば、合計で比べます
- 最低料金と、最小の発注単位はあるか。小さな工事ほど、単価より最低料金が効いてきます
- 仕上げに不備があったとき、直しに来てもらえるか。誰が施工するのか(自社の職人か、外注か)もあわせて聞いておくと安心です
- 支払いの時期と、キャンセルの決まり。前払いか後払いか、いつまでなら取りやめられるかを、書面で確かめます

実績で見ると、安く済むかどうかは「範囲」で決まる
同じ単価で頼んでも、総額は工事の範囲で大きく変わります。当社の料金表には、実際にお受けした工事の代金を間取りごとに集計した数字を公開しています(税抜・クロス以外の工事を含むものもあります)。
| 間取り | 工事代金の中央値(件数) | 真ん中50%の範囲 |
|---|---|---|
| 1R | 約33,000円(26件) | 21,000〜80,000円 |
| 1K | 約47,000円(55件) | 28,000〜83,000円 |
| 3LDK | 約137,000円(19件) | 33,000〜358,000円 |
1Kでも、真ん中の半分だけで28,000円から83,000円まで開いています。3LDKになると、下は33,000円、上は358,000円です。「激安の業者を探す」より先に、「今回はどの部屋の、どこまでを替えるか」を決めるほうが、総額を抑える効き目は大きいと考えています。退去のたびに全部を替える必要はなく、汚れや傷の具合を見て範囲を絞る大家さんも多くいらっしゃいます。
なお、工事のあとにお客様にお願いしているアンケートでは、2016年12月から2018年1月の集計で、5段階のうち「5(良かった)」と「4(やや良かった)」が合わせて92.54%でした。少し古い集計ですが、安さだけで選ばれているわけではない、という一つの目安としてご覧ください。
まとめ:安さの理由に納得できる業者に頼む
クロス張替えを安く頼むこと自体は、賃貸経営として正しい判断です。大事なのは、その安さが何によって生まれていて、代わりに何を引き受けるのかを、頼む前に知っておくことです。当社の場合は、柄を選べないこと、空室であること、1部屋の天井と壁の全面からであること、前払いであることが、その条件にあたります。
単価と条件は料金表ですべて公開しています。条件が合いそうな現場があれば、お見積りのお申込みから現状をお知らせください。面積が分からなくても、間取り図やお写真から概算をお出しします。ほかの工事や対応エリアは、トップページに載せています。


